POGギヴァー・クラッシュが仕掛けてくるのが、今回解説する駐車場パズル。このパズルは、世界的パズル作家の故・芦ヶ原伸之氏が1980年代に雑誌に発表し、その後、「TOKYO PARKING」の名前で匹見工業から発売されたパズル玩具です。1984年には、アメリカのバイナリーアーツ社(現在のシンクファン社)で「RUSH HOUR」の名前で発売され、爆発的なヒットを記録しました。これの日本版は、ハナヤマから発売されています。芦ヶ原氏は、数々の傑作パズルを世に出し、パズル界に多大なる功績を残された方です。芦ヶ原氏の名前は知らなくても、キャストパズルのシリーズなど、彼の作品をみなさんもきっと、一度は手に取ったことがあることでしょう。今回、関係者の方々のご厚意により、駐車場パズルとして取り上げることができました。改めて御礼申し上げます。
駐車場パズルは、スライドパズルの一種ですが、動かすピースを車にしたことで、前後にしか動けないという制限が加えられています。これが、このパズルのキーポイントであり、醍醐味です。普通のスライドパズルでは、空きスペースがあれば横に動かせますが、車であるがために横に動かせないのです。もっとも、どうやって横に動かすかという発想から、最後のカイトの手を思いついたわけですが…。
ギャモンが解いた問題図を示しておきます(図1)。ギャモンに負けず、みなさんもじっくり考えてみてください。基本的には、対象の赤い車は出口へ向かう道筋の上にあるので、黄色い部分にある他の車を、いかに避けるかということになります(図2)。赤い車を動かすというより、赤い車の前をいかに空けるかと考えた方が分かりやすいでしょう。どうしても自分で解きたい人は、NHKデータ放送に、駐車場パズルの簡易版がありますので、そちらで練習して、パズルのコツを掴んでみてください。これ、頭で考えるのはとても難しいです。やはり、実際に動かしてみるのが一番。「RUSH HOUR」を買ってきてもいいし、自分で工作してみてもいいし、やってみればこのパズルの面白さがより分かると思います。
最後のカイトの手は、佐藤監督のアイディアがきっかけで生まれたものです。カイトの手の前の状態を示しておきます(図3)。
カイトの手は、クラッシュが初めに言った「赤い車を無事に出したらソルヴァ-の勝ち」という条件を満たしていません。というより、ルール上は違反でしょうが、そもそもルール違反をしたのはクラッシュの方なのだから、まあ良しとしましょう。純粋なパズルファンからは文句が出そうですが、ここはあくまでカイトの機転に注目してください。これのお陰で、話はドラマチックになったと思います。今回はここまで、次回をお楽しみに。
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(文責:郷内邦義)
第2話でギャモンがカイトに出題していたパズルに挑戦!
アナタはこのパズルが解けるか!?
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