[ シュバルツェンベルク邸の絵画パズルの解き方 ]
1つの絵画の4辺は、丸い波模様(●)、三角の波模様(▲)、四角い波模様(■)の組み合わせで、同じ模様の組み合わせがありません。各絵画の波模様を、4辺の上段から右回りで表示すると、下記のようになります。
上辺 | 右辺 | 下辺 | 左辺 | 画家 | |
ア | ● | ● | ▲ | ■ | ベラスケス |
イ | ● | ● | ■ | ▲ | コロー |
ウ | ■ | ▲ | ● | ▲ | ルブラン |
エ | ■ | ▲ | ● | ■ | ドラクロワ |
オ | ● | ▲ | ▲ | ● | ラトゥール |
カ | ● | ▲ | ■ | ▲ | ドーミエ |
キ | ● | ■ | ● | ■ | ミケランジェロ |
ク | ▲ | ■ | ● | ■ | デューラー |
ケ | ● | ■ | ■ | ● | マネ |
コ | ▲ | ■ | ● | ▲ | ロラン |
サ | ▲ | ■ | ■ | ▲ | ヴェチェッリオ |
シ | ■ | ▲ | ● | ■ | カラヴァッジオ |
ス | ■ | ▲ | ▲ | ● | ミレー |
セ | ■ | ▲ | ■ | ▲ | クールベ |
ソ | ■ | ■ | ● | ▲ | フェルメール |
このうち、キ、シ、サの3枚は固定されていて外せません。この3枚の間隔は、ちょうど1枚分空いています。また、3枚の下には、ちょうど2枚分空いています。
ここで、3×5の形に並べるのではないかと想像できます。しかもパズルとして成立するには、接する辺同士が同じ模様にするのではないかと。ここまでの状態(図1)。
他の絵画は下記の通り(図2)。
亡くなった人物が著名な画家であり、解いてほしい対象は最愛の妻、そしてPOGとはいえギヴァーがその執事。画家の想いが、そのまま表れているように感じたカイトは、絵画はある規則によって、正しく並べられるはずだと確信します。パズルならば、絵画を回転させて並べることも考えられますが、すべての絵画が正面から眺められるように、正しく置かれるだろうと、前衛画家ではなく風景画家なのですから、絵を正しく並べるのは当然のことです。
まず、最初に、3枚の絵画の間、2と4に注目します。2に入るのは、左に■、右に■を持つクしかありません。4に入るのは、左に▲、右に▲を持つウ、カ、セの3枚があります(図3)。
ここで注目するのは別の1枚のコ。残っている絵画の中で上辺に▲を持つのはコだけです。コは4に入らないので、6~15のどれか。すると、コの上には必ず別の絵画があることになります。この上に入る絵画は、下辺に▲を持っていることになります。該当するのはア、オ、スの3枚。この3枚は4に入らないので、コは11~15の間に入ることになります。上の絵画がア、オの場合、その上辺が●だから、コは11~14。スの場合、スの上辺は■だから、コは14か15。
ここで、4に入るのがウだとすると、スが10、コが15に入ることになります。すると、9に入るのはアかオ。アだと、14に入るのは、上辺▲、右辺▲となり、該当するものがありません。イだと、14にはセが入ります。アとオの下辺には▲があって、残りの絵画に上辺に▲を持つものがないから、アとオは11~13ですが、13に入る絵画は右辺に■が必要なので、11と12。並ぶためには、アが11、オが12。すると、13にはソ、8にはカ、7にはエと入りますが、最後のケが6に入らないので、この組み合わせはありません。
スが9、コが14に入る場合を考えます。4にはカかセが入ります。10にはセかソが入りますが、セだと15に上辺■、左辺■の絵画が入ることになりますが、該当する絵画がありません。よって10にはソが入り、15にはアかエが入ります。8にはアかイが入るが、アが入ると13には上辺▲、右辺▲の絵画が入ることになりますが、該当する絵画がありません。よって、8にはイが入り、13にはセが入ります。これにより、4にはカが入ります。ここで残っているケは右辺に■があるので、7、12には入らず、6に入れると11に上辺■の絵画が必要になるが、該当する絵画がないので、ケは11に入る。すると、12にはエが入り、これにより15にアが入ります。しかし、残りのウ、オが入らないので、この組み合わせはありません。これにより、コの上に入るのはアかオで、コは11~14の間となります。
コとアを組ませてみます。アを6、コを11に入れてみると、7にはオかケが入るが、どちらも12に入る絵画がありません。アを7、コを12に入れてみると、8にはオかケが入るが、どちらも13に入る絵画がありません。アを8、コを13に入れ、さらに4にウを入れると、9に入るのはオかケですが、オもケも14に入る絵画がありません。4にカかセを入れると、9にはスしか入りませんが、14に入る絵画がありません。アを9、コを14に入れると、10にはスしか入らないが、15に入る絵画がありません。これにより、コの上にはオが入ることになります。
コとオを組ませてみます。オを6、コを11に入れてみると、7にはイかカが入るが、イとカでは12に入る絵画がありません。よって6にオ、11にコは違います。オを7、コを12に入れてみると、6にはアかイが入るが、アだと11に入る絵画がありません。イだと、11にはスかセが入ります。8にはカが入るが、8にカが入ると、13に入る絵画がありません。結局、この組み合わせはないことになります。オを8、コを13に入れてみると、7にはアかイが入るが、アだと12に入る絵画がありません。イだと、12にはスかセが入ります。4にウを入れると、9にはカが入るが、14に入る絵画がありません。4にカを入れると、9にはセかソが入るが、セの場合14に、ソの場合10に入る絵画がありません。4にセを入れると、9にソが入るが、10に入る絵画がありません。よってこの組み合わせもないことになります。これにより、オは9、コは14に入ることが決定します。4にはウが入ります(図4)。
10にはセかソが入るが、セだと15に入る絵画がありません。10にはソが入ります。15にはアかエが入ります。8にはアかイが入るが、アだと13に入る絵画がありません。8にはイが入ります。13にはスかセが入ります。7にはエかカが入ります。7にカを入れると、6にはエが入り、15にはアが入ります。しかし、11にはケしかなく、これを入れると、12に入る絵画がありません。7にエを入れると、6にはケが入り、15にはアが入ります。12にはカが入り、11にスが入り、13にセが入ります。
これですべての絵画が入りました(図5)。
(文責:郷内邦義)
[ 解説へ戻る ]