今回のカイトは、両親が賢者のパズルによって亡くなったというショッキングな過去が紹介されました。そのときはパズルを捨てたカイトでしたが、青年Xの「大切なものは手放すな」ということばが立ち直るきっかけでした。そんな過去のトラウマが、またパズルを解けなくさせてしまいましたが、ノノハ、ギャモンのピンチから青年Xのことばを思い出し、オルぺウスの腕輪による覚醒で克服することができました。
では、ギャモンが挑戦したパズルを解説しましょう。
『空いた六箇所の丸に漢字を入れて、円陣を作れ。
七つの漢字の中で、使わなかった漢字の上に立て。さすれば、財の源へと導かれるであろう』
漢字を使った円陣で、外側に全部で12個の丸があり、1つ置きに漢字の埋まっている丸が6個、空いている丸が6個あります。中央には、空いている丸に入れるための漢字が7個あります。そして、使わなかった漢字が答となり、その上に立てというものでした。問題文の最後の部分、“さすれば、財の源へと導かれるであろう”とあるので、解答の漢字の上に立つと財の源へ行けるという意味だとすると、その漢字の場所が開いて落ちるのではという懸念も浮かぶはずです。自信家のギャモンにとっては、問題が簡単だったこともあり、油断してしまい、まんまと罠にはまることになったわけです。どれくらいの人が、このパズルに挑戦したか分かりませんが、未だにこのパズルが存在していることを考えると、かなりの人が犠牲になったことでしょう。もっとも、ギヴァーである鬼の手姫は子どもらしいので、パズルとしては新しいのかも知れませんが(代々受け継がれているのかも!?)。また、答となる漢字が“縄”だった点でも、注意力があれば“罠”に気付いたかも知れません。そういう意味では、悪質ではありながら、ヒントは隠されていたんですね。このパズルの位置付けは、挑戦者の技量を試すためのトラップといえるのではないでしょうか。そして、トラップを逃れた者だけが、次のステージに上がれるわけです。ノノハの運動神経の良さから、間一髪、砂地獄に落ちたギャモンを捕まえることができました。とはいえ、砂地獄の流砂は止まっていません。ギャモンが飲み込まれるのも、ノノハまで巻き込まれるのも時間の問題です。それを止めるのは新しく現れたパズルを解くこと、それしかありません。もっとも、カイトが覚醒するための準備だったともいえますが…。
さて、カイトが挑戦するパズルですが、ギャモンが落ちたパズルを含むように、六星陣が出現します。
『空いた六箇所の丸に漢字を入れ、方陣を作れ。
つり合いの取られた自然の力により、望みは満たされるであろう』
自然の力ということばから、エレメンツを連想すれば解けたも同然です。漢字の構成には、水(氵:さんずい)、火(火偏)、土(土偏)、木(木偏)とそのままエレメンツとして使えるものがあります。六星陣は、正三角形2つの組み合わせで、全部で6つの辺を持っていて、それぞれの辺には4つの丸があり、ここに漢字を入れるだろうことが分かります。そして、つり合った力から、4つの丸に4つのエレメントが入れば、バランスが取れるわけです。
パズルのレベルとしては、そう高いものではありませんが、漢字を使っているとはいえ、漢字をシンボル、マークとして捉えれば、漢字を知らなくても解けます。置き換えれば、記号を使った六星方陣問題と呼べます。
漢字は、年齢的に敷居が高いので、アニメ向きではないかも知れませんが、パズルとしてはとても魅力的な素材です。みなさんも、ぜひ漢字パズル作りにも挑戦してみてください。
(文責:郷内邦義)
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