今回、カイトたちは、人気TV番組「パズルクイーンエレナ」に招待されました。もちろん、エレナには、裏でカイトたちを倒すという目的があるのですが…。そうとも知らず、エキストラとして参加したカイトたちは楽しそうです。
この番組の冒頭で、エレナが怪人たちをやっつける“パズル・ガーディアン・バリア”の元ネタは、“姫”の字を使った組み合わせパズルです。12枚のパネルを十字形のスペースに並べます。このとき、接する辺で、ちゃんとした“姫”の字を作ります。このパズルはNHKのデータ放送「ファイ・ブレイン」で遊べますので、興味を持った方は、そちらで遊んでみてください。
これは平面のパズルですが、アニメでは球体で登場しています。実際に球体のパズルにすることは可能なのですが、ホームページなどの2次元では表現できないので、ここでは割愛します。
さて、ここからがメインイベントです。カイトたちが挑戦させられたのは、ミニチュアの街のセットを使ったビルの配置パズルでした。街の一角に空きスペースがあり、ここに模型のビルを配置します。
ビルの形には5種類あります。これは、底面の正方形2つをくっつけた形ですが、正方形の辺を3等分し、それに寄るずれを利用することで3通りの組み合わせになります。さらに、ビルであることから、裏返しにできないことで、5通りの組み合わせができます。また、高さの違いが4段階あり、合計20個のビルがあることになります。
ビルの形には5種類あります。これは、底面の正方形2つをくっつけた形ですが、正方形の辺を3等分し、それに寄るずれを利用することで3通りの組み合わせになります。さらに、ビルであることから、裏返しにできないことで、5通りの組み合わせができます。また、高さの違いが4段階あり、合計20個のビルがあることになります。
配置するときには、辺で接するビル同士が、同じ高さになってはいけないというルールがあります。ただし、点で接するのは可です。また、川沿い(川に接する辺がある部分)には、そこに一番高い建物を配置してはいけないというルールもあります。
答は、おそらく多数あると考えられますが、制限時間のある中で、1つさえ見つけるのは大変です。試行錯誤を繰り返す前に、まずある程度の見当を付けておく必要があります。問題のスペースをみると、中央縦に線対称になっていることがわかります。このことから、高さの違いを考えず、ビルの底面の形だけなら、配置も縦に線対称になるのではと考えることができます。すべてが線対称になるように配置してみましょう。スペースの上部と下部に出っ張りがあります。まず、ここに収まるようなビルを配置するところから始めます。
川沿いに一番高いビルを置いてはいけないというルールもありました。図では、アミ部分が川に接する辺がある部分に当たります。
ここで、建物の高さの違いを4段階に色分けしてみます。一番高いビルを赤とすると、赤を川沿いに置いてはいけない。そして、同じ色同士を辺で接して並べてはいけないということになります。これは、数学で有名な四色問題に置き換えることができます。
ここで、建物の高さの違いを4段階に色分けしてみます。一番高いビルを赤とすると、赤を川沿いに置いてはいけない。そして、同じ色同士を辺で接して並べてはいけないということになります。これは、数学で有名な四色問題に置き換えることができます。
答えの一例はこちら。もちろん、線対称は、この場合の解く手掛かりにしただけで、線対称にならない配置の答えもあります。
四色問題とは、「地図に描かれた各国のうち、境界線を共有する2国は必ず異なる色で塗り分けるものとすると、最低何色の色が必要であろうか」というものでした。ただし、点で接しているだけの2国や、全く接していない2国は、同色で塗ってよい。この問題は、A・ケーレイが1878年にロンドン数学会の席上で提起して以来、人々の注目を集めるようになりました。塗り分けが3色では不十分で、5色あれば十分であることは、P・J・ヒーウッドが1890年に証明しました。したがって、4色ではどうかが問題となったわけですが、長く解決を見ずに、未解決問題の1つとして「四色問題」と呼ばれるようになったのです。その後1976年、イリノイ大学のW・ハーケンとK・アッペルが大型コンピュータを使って、すべての図形が4色で塗り分けられることを証明し、この問題は決着を見ました。ガリレオ先生こと湯川博士が活躍する東野圭吾の小説「容疑者Xの献身」の中では、湯川と石神の出会いのシーンに登場するエピソードとして描かれています。
さて、ヘルベルトの妨害にも耐え、見事パズルを解放したカイトたち。中から出てきたお宝は、エレナがパズルに目覚めるきっかけとなったパズルブックでした。前回の1千万円に比べるとえらい違いですが、エレナにとってはお金に替えられない思い出の品だったのでしょう。この本の中に登場するパズルをご紹介しておきましょう。アニメではチラっとだけ映っています。どんなパズルか気になりますよねえ。これはスケルトンと呼ばれるパズルで、イラストで描かれたアイテムを文字にして、枠の中に収めるというものです。
ちなみに7つのアイテムは、
□ッ□□□、□□ー□、□□□□ッ□、□□□、□ッ□、□□ッ□、□□ー□
答えはこちら。
強い個性を持ったキャラクターとして、姫川エレナの活躍が楽しみです。今後の活躍に期待しましょう。
(文責:郷内邦義)
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