前回、ルークによって、地下迷宮の奥へと誘い込まれたカイト。カイトの前に待ち受けていたのは、ファイ・ブレインを育成するためだけに作られた愚者のパズル。奈落の底にある、夥しい数の白骨を見ると、かつては難攻不落な賢者のパズルだったのかも知れません。殺傷能力の高い巨大な歯車や、炎の海と化す仕掛けなど、カイトのいう通り、悪意の塊のような残忍なパズルで、ルークが作り変えたとしたら、ルークの非情さがよく分かります。
このパズルは、制作の際に、まず舞台を鐘楼にするという計画から始まって、上下移動をする迷路という形になりました。頭で考えると、大概の迷路が平面なので、立体というだけで難しいと感じるものです。この場合も、全体像が掴みにくいので、普通の迷路のような、俯瞰で見るような訳にはいきません。まあ、それも狙いではあるのですが…。最初に作った設計図(図1)を示しておきます。まず、試しに、この状態で挑戦してみてください。スタートは1Fで、ここには、3F、4F、7Fに上がるエレベーターがあります。丸数字は、次に進める階数を表していて、黄色い丸が現在のエレベーターの位置です。アミの丸は到着位置で、今はエレベーターがないことを表しています。数字のない丸では、止まらずに通過します。各階でも、壁を越えて進むことはできません。分岐点の数を考えれば、決して複雑な迷路ではないのですが、階を変えるごとに視点が飛ぶので、なかなか先が読めません。それが特徴でもあり、面白味でもあるのです。
アニメでは、炎が下から上がって来たことで、1階まで戻って進むということができなくなり、エレベーターの扉を壊して、途中でショートカットをするという手段を使っています。その際の経路は、データ放送画面で表示されました。これは、縦方向の平面図(図2)という形で表されています。
こうして見ると、決して難しいというほどの迷路ではないことが分かるのではないでしょうか。図では、各階の横方向とエレベーターの縦方向で、クロスしているところがいくつかありますが、交わっていても、本来は乗り換えることができません。カイトが使ったショートカットは、実はこの部分で、仕組みが頭に入っていなければできない芸当だったといえます。解答図を図2の形で表記します(解答はこちら)。
物語は、益々佳境を迎えます。カイトやルークの秘密、ファイ・ブレインや神のパズルの謎、徐々に明らかになる今後にご期待ください。
(文責:郷内邦義)
[ あらすじへ戻る ]