カイトから距離を置いていたキュービックが、久し振りに登場します。離れていたといっても、カイトの監視は続けていたようです。ところで、彼が試みていたのが、POG中枢のホストコンピュータへのハッキングです。いくつものセキュリティーパズルをクリアして行きます。実際にいくつのパズルをクリアしたかは分かりませんが、アニメでは、小町算、虫食い算、ナンプレが出てきます。これらは「作中のパズルに挑め」のコーナーにありますから、キュービックになったつもりでチャレンジしてみてください。そして、最後のパズルが、「Φ」が描かれたスライドパズル(図1)です。
ちゃんと完成しているにも関わらず、それ以上進めません。“PASS WORD”の要求があるので、それが分かれば何らかの進展が望めそうなのですが…。ここでソウジの出番です。黄金比の数値を入力すると、このスライドパズルには裏面(図2)があって、両面揃えないといけない仕掛けになっていることが分かりました。
このスライドパズルは、8×8で、63ピースあります。図を見ればわかるように、わざと同じピースが何枚もあります。つまり、同じピースは入れ替え可能ではなく、裏面があることで、すべてのピースの位置が決まっているのです。もし、裏面を見ずに、表面の同じピース同士を入れ替えて完成させるとしたら、とてもできるものではありません。裏面を見ながらにしても、一人で行うには相当大変な作業です。それでも、二人は協力し合いながら、見事に完成させたのでした。ちなみに裏面のデザインは、陰陽を表すマークで、裏表があることの暗示だった訳です。
一方、カイトは、POG幹部のフンガによって、どこかの工場へと連れてこられました。
どんなパズルかも分からないまま、挑戦させられます。カイトがいる大きなベルトコンベア、その左右に木箱が流れる小さなベルトコンベア、ここで分かることは、木箱は梱包用の機械(1番~8番)を通過すると、ランプが点灯して音声を発するということです。1番から順に点灯して8番に行くと、また1番へとこれを繰り返しています。この順番は文字の順番を表していて、総文字数は8文字ということになります。音は、音階を奏でていて、下のシ、上のドがないことから、7音ではないかと思われます。ランプには、青、赤、黄、白の4つの色の表示があります。音階と色の組み合わせが文字を表しているとすると、7×4=28で、これはアルファベット26文字に対応しているのではと推理できます。1つの可能性として、7文字を4つの文字列にしてみます。色ごとに、(A~G)、(H~N)、(O~U)、(V~Z)。ただし、どの色がどの文字列かは分かっていません。これで分かることは、ドはA、H、O、Vのどれかではないかということです。
ド | レ | ミ | ファ | ソ | ラ | シ | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
? | A | B | C | D | E | F | G |
? | H | I | J | K | L | M | N |
? | O | P | Q | R | S | T | U |
? | V | W | X | Y | Z |
カイトがつかんだ、色と音階の暗号は、
1(黄レ)、2(赤ド)、3(赤レ)、4(青レ)、5(黄ファ)、6(青ド)、7(赤レ)、8(赤シ)。
ここからは暗号を解くための推理です。これは、ナンクロを解く方法に似ています。
(黄レ、黄ファ)の可能性は、(B、D)、(I、L)、(P、R)、(W、Y)の4通り。
(赤ド赤レ、赤レ赤シ)の可能性は、黄レ=Bの場合(HI、IN)、(OP、PU)の2通り、黄レ=Iの場合(AB、BG)、(OP、PU)の2通り、黄レ=Pの場合(AB、BG)、(HI、IN)の2通り、黄レ=Wの場合(AB、BG)、(HI、IN)、(OP、PU)の3通り。
(青レ、青ド)の可能性は、黄レ=B・赤ドレ=HIに対して(P、O)か(W、V)、黄レ=B・赤ドレ=OPに対して(I、H)か(W、V)、黄レ=I・赤ドレ=ABに対して(P、O)か(W、V)、黄レ=I・赤ドレ=OPに対して(B、A)か(W、V)、黄レ=P・赤ドレ=ABに対して(I、H)か(W、V)、黄レ=P・赤ドレ=HIに対して(B、A)か(W、V)、黄レ=W・赤ドレ=ABに対して(I、H)か(P、O)、黄レ=W・赤ドレ=HIに対して(B、A)か(P、O)、黄レ=W・赤ドレ=OPに対して(B、A)か(I、H)。
すべての組み合わせは、18通りあります。
BHIPDOIN、BHIWDVIN、BOPIDHPU、BOPWDVPU、IABPLOBG、IABWLVBG、IOPBLAPU、IOPWLVPU、PABIRHBG、PABWRVBG、PHIBRAIN、PHIWRVIN、WABIYHBG、WABPYOBG、WHIBYAIN、WHIPYOIN、WOPBYAPU、WOPIYHPU、
この中で意味を持つのはPHIBRAINだけです。これを頭の中だけで解けるカイトは、まさに天才としかいいようがありませんね。これをまとめると、青はA列、赤がH列、黄がO列、白がV列、暗号表は下記のようになります。
ド | レ | ミ | ファ | ソ | ラ | シ | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
青 | A | B | C | D | E | F | G |
赤 | H | I | J | K | L | M | N |
黄 | O | P | Q | R | S | T | U |
白 | V | W | X | Y | Z |
カイトの思考速度といい、処理能力は格段にレベルアップされています。これがファイ・ブレインに近づいている姿なのでしょうか。さて、次回は、いよいよジンとバロンの過去が明かされます。そして、謎の存在であるピタゴラス伯爵の秘密も。益々、目の離せない展開ですね。それでは。
(文責:郷内邦義)
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