カイトとアナが、賢者のパズルの解放に向かった先は、風景画家の大家・シュバルツェンベルク邸でした。名前から推測すると、ドイツもしくは東欧出の人のように思えます。奥さんは、ラウラ・フレデリカという名前から、フランス人ではないか。同様に、執事のセバスチャンは、イタリア人かスペイン人ではないか。セバスチャンがギヴァーと分かってみると、イタリア人ならローマ数字を使うのも理解できます。実は、セバスチャンという名前も伏線の1つだったんですね。
カイトが、まず注目したのが額縁の模様でした。額縁の4辺に、丸い波模様、三角の波模様、四角の波模様の3種類があり、その組み合わせで構成されています。しかも、15枚の絵画に、同じ模様の組み合わせはありません。カイトは、この額縁の模様を手掛かりに並べ替えるのではないかと考えました。これはマッチングパズルと呼ばれる種類のパズルで、いろいろなタイプのパズルが市販させています。簡単に言えば、柄のジグソーパズルと呼べるでしょう。パズルのポイントは、接する辺同士をすべて合わせるというものです。この絵画パズルのように、同じ模様を合わせるものや、対になっているものを合わせるもの。逆に、すべて異なるようにするものなど様々。ファイ・ブレイン関連サイト「もっと×2 神のパズル」第4回のチャレンジパズルでは、ファイ・ブレインのキャラクターたちの上半身と下半身を合わせるパズルとして登場しています。
さて、本編では、カイトはすべての絵画を外してみることにしました。どうしても外れない絵画が3枚。他の絵画は、壁にあったとき、特に規則的に飾られていたわけでもありません。外れなかった3枚は、等間隔にきちんと並んでいます。しかも、その間隔は、ちょうど絵画1枚分。いかにも、この3枚を基準に、他の絵画を並べてくれと言わんばかりです。カイトが感じる作り手の想いは、こうしたヒントの積み重ねの中から窺い知ることができるのです。解かれまいという思いより、解いてほしいという思いが強く感じられるわけです。絵画パズルの解き方については、こちらをご覧ください。
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絵画パズルの配置は完成しましたが、そこから何が得られるかが分かっていません。ここに並べられた絵画は、いずれも有名な作品のレプリカばかりですが、よほどの美術愛好家でもないと、だれの何と言う作品かまでは分かりません。ここでアナの登場です。一際美術に精通しているアナだからこそ、すべての絵画の作者を言い当て、それによって、5文字のアルファベットの存在(MDCLV)が分かりました。だが、入力するのは数字でアルファベットじゃない、困ったカイトたちでしたが、ちょうどタイミングいいことに時計が12時を知らせました。ふと、見上げると時計盤の文字はローマ数字。普通の人では、これでも気付かないかも知れませんが、パズルの天才・カイトなら、ここでピンと来るわけです。2話では、カイトにギャモン、学園長のバロンまでも、普通にモールス信号を理解していましたね。モールス信号やローマ数字など、暗号のネタになるものは、一通り身に付けておくのが、ソルヴァ-としての基本なのです。もっとも、番号の1655は、あまりにも都合が良過ぎますが、セバスチャンは逆に1655からMDCLVを、さらに画家の頭文字にと発想したと考えてください。つまり、1655がキーナンバーでなかったら、このパズルは作られなかったということです。
今回は、POGにも良いギヴァーがいることが分かった心温まる話でした。今後も、今回のような温かいパズルも登場するので、期待していてください。
(文責:郷内邦義)
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